ニャるほど、トルコ美術史

トルコ美術史の紹介。歴史を知れば、もっと楽しくなる!

小説『シナン』が面白い(3)

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トルコ美術史において重要な人物として建築家シナンがいます。シナンを描いた日本の小説に夢枕獏著の『シナン』があります。この小説が本当に面白かったためブログで紹介したいと思います。小説『シナン』に出てくる場所、建築物を写真や地図を用いて紹介します。夢枕獏氏の素晴らしい文章から想像するイメージの役立てれば幸いです。

※ 今回は、第5章について紹介します。

 

 

小説『シナン』の基本情報(おさらい)

現在、中公文庫から上巻と下巻の2冊が販売されています。

 

この本ではシナンは1488年に生まれ、1588年まで生きたとされています。1588年まで生きたのは事実です。しかし生まれた年は正確にはわかっておらず、1494年〜1499年頃とされています。

いずれにせよ長生きして、第9代スルタンのセリム1世、第10代スルタンのスレイマン1世、第11代スルタンのセリム2世、第12代スルタンのムラト3世と、オスマン帝国最盛期のスルタンに仕えました。この本では第10代スルタンのスレイマン1世に仕えた時代を中心に、当時巨大な聖堂である「聖ソフィア」よりも大きなモスク(ジャーミー)を建てることに挑戦した建築家シナンの話です。

f:id:hako-hana:20180203215620p:plain 写真引用:Mimar Sinanın Hayatı | Mimar Sinan 

第5章 壮麗者スレイマン大帝

セリム1世が失くなったあと、その子のスレイマン1世が第10代スルタンになりました。セリム1世は恐怖政治を行ったことにより「冷酷者(ヤヴズ)」と呼ばれていました。それに対して、スレイマン1世は「立法者(カーヌーニー)」や「壮麗者」と呼ばれました。スレイマン1世の時代に、オスマン帝国の領土は最大になり、建築、美術、化学などのあらゆる文化の最良のものが花開きました。

f:id:hako-hana:20180902181501p:plain 写真引用:スレイマン1世 - Wikipedia

第5章では、スレイマン1世にとって重要な人物であるイブラヒムについて書かれています。 スレイマン1世の時代はシナンやイブラヒムをはじめ、魅力的な人物がたくさんいました。 

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さて、第5章ではカフヴェ(コーヒー)を飲む場面があります。カフヴェは現在では「トルココーヒー」と呼ばれているドロッとしたコーヒーです。

f:id:hako-hana:20180913215648p:plain 写真引用:Turkish coffee - Wikipedia

この小説の中では、まだコーヒーは一般的な飲み物ではなかったそうです。コーヒーはアラビア半島でまず広まりました。コーヒーの起源は2つの伝説があります。1つはイスラム教徒のシーク・オマールが飲み物としてのコーヒーを発見、もう1つはエチオピアの山羊飼いカルディが発見したというものです。アラビア半島で広まったコーヒーは、オスマン帝国イスタンブールに伝わりました。1554年頃にはカフヴェハーネ(コーヒーハウス)というコーヒーを飲む店が開店し、スレイマン1世の時代の後半にはイスタンブールのあちこちにあったそうです。カフヴェハーネは社交場でもありました。

シナンの後の時代である18世紀のカフヴェハーネの様子の画像です。(アントワーヌ・メランの版画『トプハーネにあるカフェの内部』)

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コーヒーを淹れてる部分の拡大は以下です。

f:id:hako-hana:20180913212806p:plain 写真引用:http://www.y-21gp.com/coffee/STORY/trkcafe.htm

 

小説ではコーヒーを飲む場所でザーティーという詩人と出会います。

 

 

 

(つづく)

 

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 ↓トルココーヒーを入れるためには「イブリック」という専用の器具を使います。

 

参考 

ウェブサイト

 

 

 

 

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