ニャるほど、トルコ美術史

トルコ美術史の紹介。歴史を知れば、もっと楽しくなる!

日本の美術館から、トルコを想う

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日本の美術館で、仏教美術や中国美術の展覧会が開催されることがあります。

中国から東側の日本へ渡ってきた美術のモチーフは、西側のトルコへも伝わっています。 

今回は日本の美術館で見かける仏教や中国に由来するモチーフから、トルコで存在するモチーフを見てみようと思います。

 

 

日本で体感できる場所

仏教や中国美術をよく展示している美術館は以下があります。

根津美術館

現在、企画展『ほとけを支える蓮華・霊獣・天部・邪鬼』が開催されています。

f:id:hako-hana:20171009181928p:plain 写真引用:展覧会 / 開催中|根津美術館

なかなか美術館に行かない方は書籍でチェックしてみてください。どのような美術館かわかります。

 

出光美術館

前回の展示は『祈りのかたち -仏教美術入門』でした。出光美術館が所蔵しているものも多かったので、また見る機会があると思います。

f:id:hako-hana:20171009181424p:plain 写真引用:年間スケジュール|展覧会情報|出光美術館 

■ お寺

美術館に行かなくとも、日本は寺が多くあるため仏像を見る機会が多いです。仏像には仏教のモチーフが使われています。

 

日本で見かける仏教・中国のモチーフからトルコを見る

仏教・中国のモチーフである吉祥文は以下があります。

 

■ 如意宝珠(チンタマーニ)

サンスクリット語でチンタマーニと言い、チンターは「意(意志)」、マニは「宝珠」という意味です。「意のままに願いを叶える宝」と解釈されています。地蔵菩薩虚空蔵菩薩の持ち物とされています。下記の写真のように手に如意宝珠を持っていたりします。

f:id:hako-hana:20171009182626p:plain 写真引用:如意宝珠 - Wikipedia

3つの宝珠が積み重なっているものを「三弁宝珠」と言います。

f:id:hako-hana:20171009183100p:plain  写真引用:密教法具販売 - 如意宝珠(三弁宝珠)

■ 雲文(瑞雲、霊芝雲)

めでたいことの前兆に見られる雲で、運気の向上を象徴しています。中国の吉祥文様の一つです。特に、雲が流れているのは良い時代であることを示していました。

f:id:hako-hana:20171009211409p:plain 写真引用:着物着付け用語集|長塚久恵の着物着付け教室

f:id:hako-hana:20171009211457p:plain 写真引用:霊芝雲文

■ 如意

 本来は背中をかく「孫の手」であったが、仏教に取り入られて僧侶が威儀を正す僧具になりました。

f:id:hako-hana:20171009212944p:plain 写真引用:如意 - Wikipedia

「手の届かない場所でも意の如くなる」という意味を持ち、願いを叶えるということを示します。

f:id:hako-hana:20171009212428p:plain 写真引用:Ruyi (scepter) - Wikipedia

 

トルコではこれらのモチーフが以下のように使われています。

■ 如意宝珠(チンタマーニ)

3つの宝珠が積み重なっているものを「三弁宝珠」がモチーフとしてよく使われています。スルタンの衣装や玉座、タイルなどに描かれています。 

f:id:hako-hana:20171009213919p:plain 写真引用:Sultan Caftans, Fabrics, Carpets and Sacred Coverings | Topkapı Palace Museum Official Web Site 

 

■ 雲文(瑞雲、霊芝雲)

下の写真の赤いモチーフが雲文です。タイルの文様の中に描かれていることが多いです。

f:id:hako-hana:20171009220015p:plain 写真引用:リュステム・パシャ・モスク - Wikipedia 

 

■ 如意

 トランプのスペードのような形のモチーフが如意です。

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↓一部拡大

f:id:hako-hana:20171009220427p:plain 写真引用:リュステム・パシャ・モスク - Wikipedia

ルーミーの文様と組み合わされることが多いです。

↓ルーミーは以前の記事に書いています。

turk-art.hatenablog.com

 

日本で見かける霊獣からトルコを見る

想像上の動物は世界中に存在します。中国から生まれた霊獣は日本の身の回りにも使われています。

 

麒麟

麒麟は中国では儒教仁徳を備えた獣とされています。一本の角があります。日本ではキリンビールのデザインが最も身近です。

f:id:hako-hana:20171009222205p:plain 写真引用:キリンマークのデザインに隠された秘密を知っていますか? -キリン広報さんに聞いてみた | マイナビニュース

鳳凰

鳳凰は中国起源の霊獣で、神鳥、鳥類の最初のものとされています。イスラーム世界では、13世紀頃から古代イランの霊鳥シームルグの形態が中国の鳳凰の形を取るようになりました。日本でも装飾やシンボルとして多く使われていて、身近なものでは一万円札に描かれているのは、平等院鳳凰堂鳳凰です。

f:id:hako-hana:20171009221146p:plain 写真引用:鳳凰 - Wikipedia

■ 龍

龍は中国ではすべての生き物の祖として考えられています。トルコでは英雄、天界を回転させるもの、再生能力のある生命力の象徴など「善龍」というイメージですが、イランやアラブ、ヨーロッパでは悪事を働く悪龍というイメージがあります。日本では水の神のように信仰の対象となっていました。

f:id:hako-hana:20171009222618p:plain 写真引用:日本の竜 - Wikipedia

 

トルコでは以下のように描かれています。

麒麟

トプカプ宮殿の割礼の間の麒麟はとても有名です。

f:id:hako-hana:20170301122332p:plain 写真引用:Circumcision Room | Topkapı Palace Museum Official Web Site

鳳凰

レイマン1世の刀剣に鳳凰が描かれています。

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↓一部拡大

f:id:hako-hana:20171009224021p:plain 写真引用:Ethnographic Arms & Armour - THE OLDEST KNOWN YATAGHAN!!!!

■ 龍 

イスタンブール海軍博物館に展示されているスルタン用の船に龍のモチーフが使われています。龍は天界へものを運ぶという意味があります。

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↓一部拡大

f:id:hako-hana:20171010204908p:plain 写真引用:Naval Museum Command - Historic Galley

 

まとめ

中国を発信源としたモチーフは東側へは日本に、西側へはトルコに伝播しました。 日本の美術館では、トルコの美術品と共通するモチーフが隠されています。美術館に行くとき共通点を探してみると楽しいと思います。

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メモ

中国のモチーフは現在の日本にも身近になっていて、様々な雑貨が出ています。

・巾着袋:和柄のものとして鳳凰が刺繍されているものがあります。豪華で綺麗。

・メンズ巾着袋: メンズの浴衣のアイテムとしての巾着袋。麒麟が描かれていてカッコイイです。

・ブックマーク(しおり):雲の文様が可愛らしいです。

  

 

参考

講義

  • ヤマンラール水野美奈子『オスマン帝国の華』第2回(2017年5月13日) @ユヌス・エムレ インスティトゥート東京

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