ニャるほど、トルコ美術史

トルコ美術史の紹介。歴史を知れば、もっと楽しくなる!

トリックアート?!ルーミー

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一つの絵で、見方を変えると2種類の絵に見える・・・いわゆるトリックアート(だまし絵)と言われるものがあります。

 

トルコの文様でトリックアートに感じるものがあります。

 

 

見方を変えると、2種類の絵に見える

一つの絵で、見方を変えると2種類の絵に見えるもので有名なものとして有名なもので以下があります。

■ ルビンの壺

f:id:hako-hana:20170708215339p:plain 写真引用:ルビンの壺 - Wikipedia

白部分を見ると壺に見えますが、白を背景として黒い部分を見ると向かい合った二人の人に見えます。 

■ 女性(妻と義母)

f:id:hako-hana:20170708215231p:plain 写真引用:妻と義母 - Wikipedia

向こうを見ている若い女性に見えますが、大きな鼻を持った横を向いている老婆に見えます。  

 

さて、トルコの文様で「ルーミー」と呼ばれるものがありますが、これは何に見えますか?

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一部拡大します。緑色の部分です。

f:id:hako-hana:20170708222432p:plain 写真引用(一部):The Privy Room of Ahmed I | Topkapı Palace Museum Official Web Site

 

葉っぱの文様?

蔓(つる)の文様?

正解です。

 

しかし、トルコの研究家の解釈では「鳥の翼」です。

 

ルーミーとは

ルーミーは「ローマの」という意味で、イランの画論では「イスリーミー」と呼ばれているものと同じです。

半分の葉状のモチーフと蔓(つる)の組み合わせが基本のかたちです。

f:id:hako-hana:20170717130647p:plain 写真引用:RUMİ - Motif Handycrafts

葉や茎、蔓(つる)が伸びたり絡んだりする文様は、古代ギリシャではパルメット、中国や日本では唐草があります。ルーミーも唐草も、古代ギリシャから伝播した文様です。

■ パルメット 

f:id:hako-hana:20170717123715p:plain 写真引用:Palmette - Wikipedia

■ 唐草(中国)

f:id:hako-hana:20170717125055p:plain 写真引用:中国文様史 - Wikipedia

■ 唐草(日本)

f:id:hako-hana:20170717124445p:plain 写真引用:唐草模様 - Wikipedia

 

トルコでは、葉ではなく鳥や霊獣などの翼がルーミー文様のもとの形であるという説が有力です。

 

例えば、中国・新疆ウイグル自治区にあるベゼクリク石窟寺院にある壁画の龍の翼がルーミー文様のもとの形とのことです。

f:id:hako-hana:20170717131749p:plain 写真引用:トゥルファンの仏教信仰:ベゼクリク千仏洞 | 貴重書で綴るシルクロード

 

また、こんな感じで「鳥」の形をしているという考え方もあります。

f:id:hako-hana:20170719224012p:plain 写真引用:RUMİ - Motif Handycrafts

 

さて、もう一度ルーミーを見てください。

葉っぱや蔓と、鳥の翼の両方が見えてきませんか?

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■ 余談

個人的な見解ですが、筆者はターキーを上から見た形の曲線がルーミーに見えます。テズヒップの講義でルーミーを描くときは、ターキーを想像しながら描くと上手くいきます。

 

f:id:hako-hana:20170719224543p:plain 写真引用:【焼きやすいミニサイズ】【 2kg 】フランス産ベビーターキーポップアップタイマー付 - グルメソムリエ | 生ハム原木とスペインワイン通販

 

まとめ

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メモ

16世紀以降イランやトルコでは絵を論じる「画論」が書かれるようになりました。それらの画論では「絵画の基本は7つの文様である」とされています

7つの文様は、著者によって多少異なりますが、イスリーミー(ルーミー)、ハタイ、アブルの3つは筆頭に挙げられている文様です。文様がどのような形であったかは著書には書かれていませんが、イスリーミーは唐草文様、ハタイは中国起源の花文様、アブルは雲文様と考えられています。

 

■ ゲッセホーン著『書と絵画に関する書』(1556年、サファヴィー朝、イラン)

・イスリーミー(ルーミー)(=唐草文様)

・ハタイ(=花文様)

ファランギー(=西洋の)

・フサーリー

・アブル(=雲文様)

・ダーク

・ギリフ(=組み紐)

 

■ サーディキー・ビーク著『絵画の規範』(1596年、サファヴィー朝、イラン)

・イスリーミー(ルーミー)(=唐草文様)

 ・ハタイ(=花文様)

・アブル(=雲文様)

・ワーク

・ニールファル(=睡蓮)

ファランギー(=西洋の)

・バンディ・ルーミー(=ローマ的な組み紐)

 

■ カーディー・アフメド著『芸術の花園』(1606年頃、サファヴィー朝、イラン)

・イスリーミー(ルーミー)(=唐草文様)

・ハタイ(=花文様)

ファランギー(=西洋の)

・フサーリー

・アブル(=雲文様)

・アクラフ

・サァーミー

 

体感できる場所

トルコ

トプカプ宮殿

ハレムのタイルを見て、ルーミーを探してみてください!

■現地オプショナルツアー

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日本

■美術館

// 唐草文様の良い作品を所蔵している美術館を調査中です。

 

■ルーミー文様のアイテム

アラベスク文様で素敵なルーミーのアイテムが沢山あります。

 

 

参考

講義

  • ヤマンラール水野美奈子『オスマン帝国の華』第4回(2017年6月3,10日) @ユヌス・エムレ インスティトゥート東京

書籍

  • 立田洋司『唐草文様』:東西の文化を駆けめぐる唐草文様について書かれている本。唐草は「文様」というより「概念」という考え方が興味深いです。 
  • 並河万里『砂漠の華 トルコタイルの花唐草』:並河萬里氏の写真と、斎木幸子氏のトルコについての解説、吉田左源二氏のトルコ文様の装飾文様の解説、三上次男のトルコタイルの歴史の解説と、この一冊でトルコタイルの旅に出かけたような気分になります。

 

ウェブサイト

 

 

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