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ニャるほど、トルコ美術史

トルコ美術史の紹介。歴史を知れば、もっと楽しくなる!

結局のところ、ジャーミイ(モスク)は何なのか

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ツアーで旅行をすると有名なところに連れて行ってくれます。ガイドさんの話をよく覚えていればいいのですが、目の前のものの印象が強すぎて、後日振り返ると「あの建物は何のためのものだっただろうか?」と思う時があります。

 

トルコやイスラームの国の観光でよく行く「ジャーミイ(モスク)」。日本では見ない不思議な建物で印象に残ると思います。

ところで、結局のところ、ジャーミイは何なのかでしょうか。

 

 

ジャーミイは礼拝の場

イスラームでは信仰の実践として五行というものがあります。

それは、以下の5つです。

  1. 信仰告白
  2. 礼拝
  3. 喜捨
  4. 断食
  5. 巡礼

 この五行の「礼拝」を集団で行う場所がジャーミイです

 

「ジャーミイ」という言葉を使っていますが、モスクとジャーミイは違いがあるのでしょうか。

モスク(英語:mosque)の語源は、アラビア語のマスジド(masdjid)=ひれ伏す場所です。一方、ジャーミイの語源はアラビア語のジャム(jam)=(人々が)集まることです。

モスクもジャーミイも礼拝の場という意味を表現しています。しかしオスマン帝国では基本的にはジャーミイと呼び、規模の小さいものをモスクと呼んでいました。

 

ジャーミイの建築の基本要素は6つ

ジャーミイの建築の基本要素は6つあります。 

  1. 広い空間
  2. メッカの方角を示す「ミフラーブ」と呼ばれる壁龕(へきがん)
  3. 「ミンバル」と呼ばれる説教壇
  4. 礼拝の呼びかけを行う「ミナーレ」と呼ばれる高い塔 
  5. 沐浴(手水)の場
  6. 中庭

 

1、広い空間

多くの人が集まって礼拝ができるようにするために広い空間が必要です。

オスマン帝国では大きなドーム建築が発達しました。

f:id:hako-hana:20170318183100p:plain 写真引用:Sultan Ahmed Mosque - Wikipedia 

2、メッカの方角を示す「ミフラーブ」と呼ばれる壁龕(へきがん)

イスラームの礼拝は、現在のサウジアラビアに位置するメッカの方角に向かって行います。

ミフラーブと呼ばれる壁龕の上方にはランプが下げられるか、両側に大きなロウソクが置かれます。これは『コーラン』24章「光り」の節に記されています。

f:id:hako-hana:20170318220744p:plain 写真引用:ミフラーブ - Wikipedia 

3、「ミンバル」と呼ばれる説教壇

ミフラーブの左横に置かれる階段状になっているものが説教壇です。

これは、預言者ムハンマドが啓示を人々に伝えたり、講話を行うときに数段高いところに上がって行ったという伝承に基づいています。

f:id:hako-hana:20170318221313p:plain 写真引用:Minbar - Wikipedia

4、礼拝の呼びかけを行う「ミナーレ」と呼ばれる高い塔

 礼拝の呼びかけ(エザーン)を行う塔です。

預言者ムハンマドは礼拝の呼びかけ方法を模索し、肉声での呼びかけを採用しました。以後、肉声による礼拝の呼びかけが定着しました。

現在はミナーレに設置されたスピーカーから肉声が流れます。

f:id:hako-hana:20170318221627p:plain 写真引用:ミナレット - Wikipedia

5、沐浴(手水)の場

身を清めることも信仰の実践の一つと考えられていたため、ジャーミイに入る前には、中庭やジャーミイ前に設置された水道で顔、手、足など肌の出ている部分を清めます。

(身を清めるという意味では日本の神社の手水舎に似ています・・・)

f:id:hako-hana:20170318223523p:plain 写真引用:Yeni Cami - Vikipedi

6、中庭

預言者ムハンマドは、集団礼拝のために自宅の中庭を解放したという伝承があり、通常ジャーミイに入る前に壁で囲まれた中庭が設けられました。

f:id:hako-hana:20170318222811p:plain 写真引用:Sultan Ahmed Mosque - Wikipedia

 

なお、イスラームでは男女が混在して生活することはありません。そのため、ジャーミイでは女性専用の礼拝の場や沐浴(手水)の場が設けれています。

 

オスマン帝国のジャーミイの特色

建築家シナンの時代に、ドームとミナーレの比率などのジャーミイの美しい形を定めました。そのためオスマン帝国時代のものは特色が出ています

  • ドーム:大きなドームをかけて、内部空間が広くなるように設計されています。ドームは厚い鉛の板を張り合わせています。
  • 外壁面:ジャーミイ外壁面は灰色系の大理石と石で統一し、ほとんど無装飾です。
  • 内部:タイル・壁画などで装飾しています。草花・樹木・幾何学文様、書による装飾を行っています。
  • その他:沐浴(手水)の場が独立した建物として建設されました。

 

まとめ 

ジャーミイは信仰の実践である五行の一つである「礼拝」を集団で行う場所です。 

ジャーミイの建築の基本要素は6つあります。

オスマン帝国のジャーミイは、建築家シナンが美しい形を定めたため特色が出ています。

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体感できる場所

トルコ

あらゆる場所にジャーミイがあると思います! 

日本

Wikipediaに日本のモスクの一覧がありました。→日本のモスクの一覧 - Wikipedia

基本的にはどのモスクも一般の人の見学はできると思いますが、神戸ムスリムモスク Kobe Muslim Mosque東京ジャーミイ・トルコ文化センターはホームページ上に見学の案内(注意事項)がありますので気楽に行けると思います。

 

参考

講義

  • ヤマンラール水野美奈子『トルコ美術の見どころ入門』第2、3回(2016年4月23,30日) @ユヌス・エムレ インスティトゥート東京

書籍

  • 深見奈緒子『世界のイスラーム建築』:世界中のイスラーム建築を解説している一冊。コラムに書かれている「◯◯のいろいろ」が、ミナーレやドームなどを写真付きで解説しているため、国や地域によって見た目の形が違うことがわかります。

 

 

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