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ニャるほど、トルコ美術史

トルコ美術史の紹介。歴史を知れば、もっと楽しくなる!

カラ・メミ

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カラ・メミ。

 

ブランド名?

トルコ語の単語?

 

いえいえ、オスマン帝国時代の文様絵師で有名な人です。

今風の言葉で言えば、カラ・メミはデザイナーです。

 

この人が「これぞオスマン美術の文様!」というチューリップやカーネーションなどの写実的な花の文様を作りました。

 

 

カラ・メミとは何者か

カラ・メミ(Karamemi)は生年月日や生まれた場所は不詳です。

 

名前のカラはトルコ語で「黒」、メミは「メフメトの省略形」です。

宮廷工房の台帳の、1545年の宮廷の絵画工房で9番めに位置付けられていた人物がカラ・メミであると考えられています。

(台帳には、メフメディー・スィヤーと書かれています。メフメディーは「メフメト」、スィヤーはペルシャ語起源の言葉で「黒」という意味です)

 

1557〜1558年には宮廷絵画工房長を務めました。

 

出世作は、1546年に能書家カラヒサーリーによって書かれた『コーラン』の文様絵画と言われています。

「満開の春の果実」の先駆けとなるモチーフが書かれています。

 

イスラームの絵画作品にはサインを残さないのですが、1566年の『ムヒッビー(スレイマン1世の雅号)の詩集』の文様絵画にはカラ・メミのサインを残しています。

 

カラ・メミ以前の文様は、実在しない草花を様式化していました。

しかし、カラ・メミは、チューリップ、カーネーション、ヒヤシンス、ヤグルマソウ、スミレなどといった一目見れば何の花かわかる写実的な表現の文様を加えました

これをカラ・メミ様式と言います。

 

カラ・メミの作品はテズヒップが主ですが、絵画工房で考案された文様はナクシュ(建築装飾や工芸品)にも使用されました

建築家シナンのジャーミーなどの建築装飾には、カラ・メミ様式の文様が採用されました。

 

↓テズヒップやナクシュは以下の投稿を参考にしてください

turk-art.hatenablog.com

 

作品

テズヒップ

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 f:id:hako-hana:20170215124007p:plain 写真引用:Karamemi (Devamı) | Tezhip Sanatı

f:id:hako-hana:20170215125145p:plain 写真引用:Floral Motifs in Illumination 

ナクシュ(カラ・メミ様式)

↓満開の春の果実

f:id:hako-hana:20170131182603p:plain 写真引用:Rüstem Pasha Mosque - Wikipedia

f:id:hako-hana:20170215163924p:plain 写真引用:Süleymaniye Mosque - Wikipedia

 

まとめ 

カラ・メミは、スレイマン1世の時代に活躍した文様絵師です。

「これぞオスマン美術!」と思えるようなチューリップやカーネーションなどの草花を写実的に表現しました。

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メモ

■1545年の宮廷の絵画工房の工房長はシャー・クル(Şah Kulu)。

 シャー・クルは天才的な画家でした。

 想像上の美人(ペリ図)やサズ植物文様、墨筆画が得意。

 

体感できる場所

トルコ

建築家シナンが作った建築物の内装の多くはカラ・メミ様式です。建築家シナンの建物を見に行った時に併せてチェックしてみてください。

turk-art.hatenablog.com

日本

東京ジャーミイ・トルコ文化センター

建築家シナンが築いたオスマン帝国のジャーミーの特徴を感じます。内部はカラ・メミ様式を感じるトルコらしい装飾です。

f:id:hako-hana:20170304211826p:plain 写真引用:東京ジャーミイ - Wikipedia

■ネットショップ

【楽天市場】オリエントバザール:テズヒップの商品はないけれど、ナクシュの商品はトルコのお土産物として多くあります。 ウェブサイトを見てカラ・メミ様式を感じ取ってみてください。

 

参考

講義

  • ヤマンラール水野美奈子『トルコ美術のパトロンと巨匠たち』第9回(2017年1月14日)@ユヌス・エムレ インスティトゥート東京
  • 高堀富美子『テズヒップ講座』2015年、2016年@ユヌス・エムレ インスティトゥート東京

書籍

  • 杉村棟 編さん『世界美術大全集 東洋編17 イスラーム』:イスラーム美術をカラー写真で幅広く沢山載っている一冊。p345〜352に文様の解説があります
  • 『Turks』:600年〜1600年のトルコ民族の美術品が載っている写真集。見応えあり

 

ウェブサイト

 

 

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