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ニャるほど、トルコ美術史

トルコ美術史の紹介。歴史を知れば、もっと楽しくなる!

チューリップなどの文様は何という名前?

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トルコに行くと、お土産物のタイルや絨毯などに似たようなデザインの植物文様を見かけると思います。

 

チューリップやカーネーションやバラ・・・他の国では見ない、トルコ独特の文様です。

 

この文様には、名前があるのでしょうか?

 

 

そもそも文様は何に使われていたのか

トルコのお土産物は、同じような文様を使って様々な商品に描かれています。

  

 

写真引用:トルコキリム&輸入雑貨 トプカプ のAmazonページ(リンクは写真をクリックしてください)

 

身の回りの物がオシャレになるといいな・・・という発想から始まったのではありません。

 

もともとはコーランなどの写本を装飾するために文様が描かれました

 

イスラームでは「書」は文化・芸術で最も重要な分野です。

「書」は人間が神(アッラー)から直接授けられた術だからです。(『コーラン』96章)

その「書」をより美しく見せるために装飾文様が考案されました。

f:id:hako-hana:20170207165826p:plain 写真引用:Ottoman illumination - Wikipedia

 

テズヒップ

オスマン帝国の文様は、トプカプ宮殿の宮廷工房(nakkaş hane)で発展しました。

宮廷工房内は、大工、石工、絵師・・・と細分化し、組織化されていました。

 

文様を描く画家の名称は、テズヒップを描く画家をミュゼッヒブ(müzehhib)、写本の挿絵に人物、動物、風景などの具象絵画を描く画家をムサッヴィル(musavvir)またはナッカーシュ(nakkaş)と言います。

 

テズヒップ(tezhip)とは、写本の文様絵画を言います。

それ以外の文様絵画をナクシュ(nakış)と言います。

 

 写本を装飾する文様絵画が拡大されて、建築装飾や工芸に用いられました。

 

テズヒップのモチーフの一例

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Hatayi(ハタイ):花を横から見た断面図

Gonca(ゴンジャ):花のつぼみを横から見た断面図

Yaprak(ヤプラック):葉っぱ

Penç(ペンチ):花を上から見た断面図 

 

まとめ

トルコのお土産物で見るチューリップなどの文様は、テズヒップまたはナクシュと言います。

 

メモ

■テズヒップの語源は、金を置く。

■ナクシュの語源は、縫いとりをする。

 

体感できる場所

トルコ

■トルコ・イスラーム美術博物館

テズヒップが多く展示されています。 

 

日本

■ネットショップ

【楽天市場】オリエントバザール:テズヒップの商品はないけれど、ナクシュの商品はトルコのお土産物として多くあります。 ウェブサイトを見てトルコ美術を感じ取ってみてください。

 

参考

講義

  • ヤマンラール水野美奈子『トルコ美術の見どころ入門』第3回(2016年4月30日)、第10回(2016年7月30日)@ユヌス・エムレ インスティトゥート東京
  • ヤマンラール水野美奈子『トルコ美術のパトロンと巨匠たち』第5回(2016年11月26日)@ユヌス・エムレ インスティトゥート東京
  • 高堀富美子『テズヒップ講座』2015年、2016年@ユヌス・エムレ インスティトゥート東京

書籍 

  • 杉村棟 編さん『世界美術大全集 東洋編17 イスラーム』:イスラーム美術をカラー写真で幅広く沢山載っている一冊。高価な本だけど、見る価値あり
  • ダウド・サットン『イスラム芸術の幾何学』:単純な形から装飾された形になる過程がわかる幾何学文様の本。絵本のようなサイズですが、理解しようとするとかなり深い本

 

 

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